▼コシの秘密は、気泡にあり
当社が大切にしている「気泡」について、2004年11月21日、秋田県総合食品研究所(大久長憲主席研究員らのグループ)による研究成果が、秋田さきがけ新聞に掲載されました。一部を抜粋して、掲載します。
「稲庭うどんの麺には、筒状の気泡が多数含まれ、ゆでた後も長時間にわたって保たれることが、分かった。この気泡こそが、細めんながらも他の麺に比べてとりわけ強いコシを生む一因と考えられると言う。
気泡は稲庭うどんの特徴として知られ、生地をこねる過程で出来るとされるが、気泡とコシの強さの関係を科学的に分析したのは初めて。
サンプルとしたのは湯沢市(旧稲川町)で製造されている稲庭うどん8種類のほか、市販の讃岐うどんやそうめん、そばなど10種類。ゆで上がってから30分後の麺1本に上から刃を当て、秒速2ミリで押し下げ、どの程度の圧力をかけると切断されるかを測った。ひやむぎやそばなどが10〜28ニュートンだったのに対し、稲庭うどんは40〜65ニュートンで、他のめん類に比べより圧力をかけなければ切れなかった。」
空気を包み込むようにして練ることにより気泡が出来ることが分かっています。手で生地を練る段階で、もうこれ以上、練りが出来ないくらいの感覚まで練り続けないと、空気が入り込んでいない、つまり気泡ができないというわけです。塩水は一昼夜おいたものを使いますが、その水温とのバランス、季節に応じた扱い、体験で知っている勘が、この気泡にも生きていると言えるでしょう。
さて、記事は、こう続きます。
「次に、3分間ゆでた稲庭うどんの断面を、時間を追って小型のMRI(磁気共鳴画像装置)で縦横両方から撮影。内部には縦方向に筒状に伸びた気泡(直径10〜90ミクロン)が多く含まれており、10時間以上経過しても同じ構造が保たれていた。
研究グループは、気泡が壊れない原理を説明するため、小麦粉の中に含まれるグルテン(タンパク質の一種)の働きに注目。グルテンが気泡の周りを取り囲み、気泡が壊れるのを防いでいるーとする仮説モデルを立てて研究を進めている。」
大久主席研究員は「時間経過とともに気泡には水が入ってしまうと予測していたので、結果に驚いた。気泡がゴムまりのように弾力を持った状態になっていて、かんだ時の反発力がコシの強さになる、と考えている」と話してもいます。