当店でブレンドを決めた小麦粉、食塩、水だけを用い、油や添加物を一切使わず、昔ながらの手づくりを守り通しています。世の中のいろいろなものが機械化され、スピードを競う時代になっても、職人の技に頼り、静かに熟成を重ね、一本一本、手作りをして出来上がる「稲庭うどん」が一番美味しい、これがお客様の評価です。
私どももそれを認め、それを大切にして、以下のような流れで作っております。流れはいたってシンプルですが、その時々の外気、温度、湿度によって、微妙に調整を行う職人の技なしでは、高い品質を守ることは出来ません。本物の証・手づくりの証明として、切断面に出来る気泡も、職人と自然がなせる技なのです。
▼1日目

1昼夜寝かせておいた塩水を用意します。小麦粉に、その塩水を加えて、混ぜ合わせます。だいたい混ざった後に、手練りを行い、大きな団子のような形になるまで、練り合わせます。1時間ほど置いてから、さらに練り返し(二度練り)ます。そうしているうちに、だんだん熟成してきます。その後、木枠に入れて、夕方5時〜翌朝5時まで、約12時間熟成させます。
▼2日目

熟成させたうどん生地を台にのせて、打ち棒で平らにした後、打ち棒をあてて、約3センチ幅に、めん線切り出しを行います。この後、台の上で、打ち粉を使って転がし、麺がくっつかないようにします。他の手延べ麺では、麺がくっつかないように油を使うところもあるようですが、当店では、打ち粉のデンプンを使うのみですので、油を一切使用しません。

そうして転がした麺は、小巻(渦巻き状)にして容器の中に入れます。その後、うどん生地でいっぱいになったその容器を密閉し、積み重ねて、また翌朝まで熟成させます。
▼3日目

小巻きにして、一晩熟成させた生地を、一本一本両手でもむように(縄綯いのように)して、「より」をかけ、30センチほど間を置いた2本の棒に、交互にかけていきます。「より」をかけ、八の字に綾がけしていくことによって、くっつきを防げますし、のばした時に、均一で美しく、またコシも出てくるのです。2本の棒に「綾がけ」したまま木箱を移し、つるすようにして、またしばらく熟成します。

麺を熟成させたあとに、また台にのせ、打ち粉をふって延ばし、麺を棒でつぶし(平らにし)、さらに熟成のためにねかせます。次に、専用の竿に、のれんのようにかけます。そして、麺を手で引っ張りながら、延ばしていきます。ここでも、打ち粉だけを使って延ばします。油や添加物は、一切使いません。
外気、麺の湿度によって、職人は、次の作業のタイミングを見極めなければいけません。また、当店では、ロット毎に担当者名をつけて、品質の管理も行っています。延ばしの作業においては、どの職人も、稲庭うどんと対話しながら、行っています。稲庭うどん自身が、その時々の外気などを感じて、職人の手に語ってくるのです。
延ばしが終わると、乾燥に入ります。早朝からの、あやかけ→熟成→つぶし→竿がけ、という流れは、翌朝まで乾燥で終わるのです。
▼4日目

乾燥室では、小麦粉の香りが漂います。また、稲庭うどんから水分が発散されるため、天井のファンを回転させ、部屋の温度・湿度が均一になるように管理しています。しかし、最終的には、職人が、外気の状態を見ながら、乾燥を仕上げます。職人の技、感覚の見せどころです。乾燥したうどんは、竿からていねいにはずします。持ち方、力の加減を誤ると、折れてしまいます。その後、専用の裁断機にのせて、均一な長さで切ります。

切断後、選別を行い、袋詰→測量→金属探知機→商品検査という流れで終わります。
▼毎朝の仕事
早朝4時、社長や専務自らが段取りをします。塩水の具合、小麦粉のブレンド具合、それらの素材がすべての始まりです。冬になれば、雪の多いこの地域。除雪作業なしでは、社員のマイカーも駐車できず、仕事も始められません。社長自らが、除雪車を運転し、準備をします。稲庭うどんにかける社長の思いと、それに応える職人との信頼関係から、「小川の稲庭うどん」は作られているのです。
季節毎の温度、湿度の影響による「作り方の違い」を体感して、技を覚えるまでには、最低3シーズン(3年)の経験が必要と言います。稲庭うどんとの対話も、そこから生まれてきます。当店では、おかげさまで、若い職人が育っております。これからも、お客様の喜びの声に後押しされながら、この技を伝えていくことができることでしょう。
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